ニューヨークの出産費用 補助金|New York Medicade(メディケイド保険)について

アメリカの現実的な出産費用についてはこちらのページで説明しましたが、こちらではニューヨークに特化した出産にも使える保険について説明します。

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アメリカのMedicaid(メディケイド語件)とは

※2021年7月時点
アメリカが低所得の大人や子供、妊婦、高齢者、障害を持っている方に向けて、政府が全額・一部負担をしている健康・医療・介護保険サービスです。全米で7600万人が利用しています。
なぜ低所得者などに向けてこのように政府が負担をして保険加入を進めているのか。
日本と違ってアメリカは自由診療が基本であり、高額な医療費が問題になっています。そして日本のように国民皆保険制度はなく、個人が数ある民間の保険会社を選び契約をします。
そして保険内容、家族の人数にもよりますが毎月保険料だけで数千ドルになることが普通です。中にはコロナ禍もあってどんどん上がる物価に対して、毎月の生活費プラス何千ドルもの保険料を支払うには厳しい現実があります。
自分なら少しぐらいの熱なら市販の解熱剤や風邪薬で様子を見ることもありますが、幼い子供や高齢者、持病がある方になればそうはいかないですよね。特にこのコロナ禍では体調不良はセンシティブな問題となっています。
躊躇はしたくないけれど保険がなければ病院にかかることは治療の方法などにもよりますが、その後の経済的打撃になることもあります。
女性にとっては妊娠・出産は病院を頼らざるを得ない時期もあります。
そこでアメリカ在住の低所得者へ政府負担の保険、メディケイドについて、そして例外に移民ステータスをとわれない!! 妊婦用のメディケイドについてお伝えします。

New York州のMedicaid(メディケイド)について


医療費も高額ですが保険料も高額となっていて、医療保険に入っていない、入れない人も多く問題となっていたところ2010年に『オバマケア』で低所得などの理由で医療や介護の福祉サービスにアクセスが難しい人へ補助を行い医療保険の加入を進めました。加入しなければ罰金もあるといったような制度で、その後のトランプ政権以降もこの『オバマケア』制度についての変更であったり、撤廃の動きがあります。法律や条例は毎年のように変更があったりするのでアンテナを張って自分で確認していくことが大事になります。
今現在も撤廃はされていませんが、メディケイドのシステムや詳細、申請条件、必要申請書類等は各州によって違うのでお住いの州のメディケイドについて調べる必要があります。こちらではニューヨーク州のメディケイドについて説明します。
メディケイドの所得制限内だと妊婦は妊婦専用のメディケイドに加入できます。そして妊婦用メディケイドは留学生でも所得制限の範囲内でしたら申請することができます。

NYで低所得者が申請可能な3つの医療健康保険プログラム

メディケイド:19歳以上、子供、妊婦、高齢者、障がい者など

基本、米国市民でニューヨーク州の住民で医療費や処方薬など全額政府負担
ニューヨーク州では約630万人が利用しています(2021年7月現在)。

チャイルドヘルスプラス(Child Health Plus)

19歳未満のニューヨーク州在住の子供用の保険で親や保護者の所得に応じて支払う保険料が違います

エッセンシャルプラン

メディケイドの所得制限よりも収入が高く、非移民でも加入可能な大人への保険で所得金額に応じて保険料が違います。どのレベルの収入によって、自分がどのプランに加入できるのか、というのはNY State of Healthのウェブサイトの試算ツールで確認ができますが、日本からのウェブアクセスは不可で、米国内からインターネット閲覧すると見れるページとなっています。

対象となる収入レベルを確認

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このように基本的にはアメリカ市民かつニューヨーク州在住者、永住権保持者向けとなっていますが、メディケイドの所得制限内の妊婦は移民ステータスを問われず、妊婦メディケイドに加入できます。極端に言ってしまえば、不法滞在でも学生ビザでも妊婦の方はメディケイドに加入でき、妊娠に関わる検診や出産が保障されます。(ただし申請書類等しっかり準備する必要があります)
駐在などの就労ビザでニューヨークに住んでいる方の多くは会社で加入している保険があると思いますので、ニューヨークに住んでいる時に妊娠が発覚した際はまず加入している保険会社にお問い合わせください。

留学生でも申請可能なMedicaid(メディケイド)

妊婦用のメディケイドは申請に移民、非移民など問われません。
ニューヨーク州在住で必要申請書類を提出すれば妊婦検診、出産に関わる医療は基本無料で受けられます
但し、決してアメリカでの出産を薦めているものではありません。

英語の環境で出産するということ

女性は待ち望んでいても、予定外だとしても妊娠をすると身体も精神的にも受け止めなければいけない現実が待ったなしでスタートします。アメリカでは州によっては超初期段階でないと中絶ができないところもあります。出産も選択肢の一つですが、ニューヨーク州では妊婦健診、出産については心配しなくて大丈夫です。
ただ日本とニューヨークで出産を経験して思うことは、妊婦検診については概ね同じですが、やはり英語の環境です。日本語の通訳を検診のたびにお願いすることは可能ですが、いざ出産のときはどうやって英語で会話が成り立っていたのか記憶が定かではありません(笑)具体的な私の出産備忘録はまた別のところで。

妊娠期間も順調に出産まで過ごせる人もいれば、いろんな体調のトラブルもあります。お腹の赤ちゃんの成長も気になりますよね。どこにいてもですが、特に異国での出産に望まれるなら、どんな状況でも乗り越えていくぞ!という強い気持ちは大事です。

海外に行く際には、どの国であろうとも出発前に海外保険に加入するか、しっかりと医療保険、病院については調べておくことをお勧めします。しかし、海外旅行などの際に加入する海外保険は妊婦でも加入はできますが、妊娠、出産、早産など妊娠に関する治療は補償対象外だと思うので、よく調べる必要があります。
メディケイドの申請の方法のひとつでWebページがありますが、基本的にアメリカ市民(アメリカに住所がある人)への保険なので、海外からアクセスはできません。

Medicaid メディケイド申請方法

日本とは色んな意味で勝手が違うアメリカのシステムですが、地域サービス、病院、銀行手続きなど、全てにおいて日本の3倍時間がかかると思っておいた方が良いです。また、日本では担当者によって言われる事が異なったり、個人情報を含む大事な書類を失くされるなんて事も、ほぼないと思いますが、アメリカでは当たり前のように起こります。よって、知識やノウハウもありますが、忍耐と妥協、そして何よりも諦めない、屈しない精神が必要となります。 

何事も予約したからと言って安心せずに。とある予約を電話でし、後日予約確認の電話をこちらからしたりすると予約が入ってないなどありました。電話で予約したのちにEメールで予約確認(Confirmation)を送ってくださいとリクエストしたり。
メディケイドの申請方法もWebからや電話、オフィスに訪ねる方法、またJASSI(日米ソーシャルサービス)という非営利団体でアメリカでの生活に関してトラブルや生活のサポートなどをしている団体からも申し込みや質問等できるようです。

メディケイド(Medicaid)申請資格

妊婦用メディケイド:低所得の妊婦に提供される医療保険。妊娠・出産に関する医療のみカバーしてくれます。具体的には、妊婦検診とそれに伴う検査、栄養指導、出産。産後数ヶ月の妊娠に関する医療など。
ちなみに、生まれてくる子供にも1年間の医療サービスがあります。

メディケイド申請資格はニューヨーク州に住んでいる妊婦

前述した通り、ニューヨークのメディケイド申請に、移民ステータスは問われません。さすがに移民の国アメリカ、移民で反映した都市ニューヨークといったところでしょうか。
但し、細かくは「規定の所得を超えていないこと」というのが重要で、規定があるので注意が必要です。
※詳しくは最新のNY市が発行している所得制限減額表を参照ください(妊婦は一人で2世帯のカウントする)

メディケイド申請に必要な書類

Medicaidを申請するにあたり、具体的に以下のような書類が必要となります。
日本と異なり、基本的にコピー不可、原本提示が必要となります。

・住所を証明できるもの(運転免許証や銀行などの郵便物、タックス関連の書類など)
・身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
・Social Security Number(社会保障番号)
・収入を証明できるもの(例:過去6か月分の給料明細など)
※収入証明については、もしあれば、となります。留学生などは収入がないケースが多いので、逆に無収入を証明する書類が必要となります。
※高齢者・障がい者は別途必要書類必要であり、Webからではなくメディケイドオフィスに行って該当

その他必要書類は各々違いがあるので、連絡の上確認して準備してください。
私の場合は主人の扶養だったので夫婦関係を証明するために日本から戸籍謄本の翻訳したものを準備していました。

その他Medicaidについて知っておいた方がよい事

補足になりますが、通常のメディケイドでは19歳以上である事が必要です。
また、ニューヨーク州の居住者である事。具体的には、ニューヨーク市民、または5年以上の永住権保持者

メディケイド申請方法

具体的にMedicaidの申請方法には具体的に以下のようなものがあります。

NY State Department of Health経由での申請

ニューヨーク州公式のHPよりDepartment of Healthから「Medicaid」の申請ページにアクセスできます。ただし日本からはアクセスできません。ニューヨーク州に住所を持っている市民が申請できる公的な保険サービスなので日本からはネットでの申請はできないようです。

MCO(Managed Care Organization)経由での申請

Department of Healthのページから確認できます。

メディケイドとの関連の各種保険会社の窓口から申請

英語に問題のない人は、メディケイドを電話で申請が可能となります。(Medicaid Helpline)
Medicaid Helpline (800)541-2831

居住する地域のソーシャルサービス(Social Service)経由での申請

居住地区のDepartment of Social Servicesに電話で確認できます。
ニューヨーク市だと General: Infoline 718-557-1399

JASSI(日米ソーシャルサービス)経由での申請

英語に自身がない方、まだNYに来て間もない方、などはこちらの問い合わせをおすすめします。Japanese American Social Services Inc.(日米ソーシャルサービス)という非営利団体があります。1981年にニューヨークで創立されました。戦前の時代から日本人、日系人が感じるアメリカ社会での生活面などサポートや解決に向けての相談窓口をされています。ビザや保険、法律の問題などの相談を受けてくださいます。日本語で相談できるのでとても心強いと思います。メディケイドなどの相談や申請方法なども詳しく教えてくださるそうです。英語に不安を覚える方はまずご相談されてはどうでしょうか。

Medicaid メディケイドについてよくある質問

自分が妊婦メディケイドの申請に取り掛かったときに疑問に思った事や、機関が受けるよくある質問などを以下にまとめました。これを読む方にとって役に立てば幸いです。
尚、質問などは、電話(800)541-2831やEメール medicaid@health.ny.govでも質問できます。

メディケイドを承認されるまでどれほどの期間待つ必要があるのか?


通常のメディケイドは申請した日から45日以内に申請資格があるかの郵便が届くが、妊婦メディケイドや子供用のメディケイドは通常30日以内に郵便で申請が通ったかどうかがわかります。

妊婦用メディケイドの申請のタイミングはいつ?


年間を通していつでも申請できます。申請書類を集めたりする必要がでてくるので、妊娠発覚後すぐに行動したほうがいいです。

妊娠がわかってから随分経ってからでも申請できるのか?


私達は家族の事情がいろいろあり、ニューヨークの妊婦用メディケイドの申請をしたときは妊娠6ヶ月あたりでした。日本からしっかりと英訳の数ヶ月分の妊婦健診のカルテを作成してもらい手続きをしたので担当の方の配慮もあったのでしょう、スムーズに許可され、ニューヨークの病院での検診に行くことができました。5年ほど前のことですので、現状は変わっているかもしれません。一番いいのは妊娠がわかったらすぐに加入している保険、またはメディケイドの窓口に確認してください。
  

メディケイド保険|知っておきたい用語

以下ではメディケイドに関わらず、アメリカで保険のやり取りをするにあたって知っておいた方が良い英語や専門用語をまとめてみました。

Premium(プレミアム)

保険会社に支払う保険料のこと。「プレミアム」」=「高価」みたいな日本語のニュアンスとかなりズレるので要注意。イメージとしては、「プレミア付き=限定された人しか持つ事ができない=料金と払った人しか保険に入れない」みたいな感じで覚えると簡単かもしれません。

Copayment(コーペイ)

自己負担額=保障された医療を受けた時に医療機関に支払う料金。「Co-Pay」という事で、「Co」は「Co-Operate」=「一緒にする」という意味で、「保険会社とあなたで一緒に支払う」みたいなイメージ。保険会社がいくら払うから、あなたは「Co-Pay分だけ払ってね」という感じです。

Deductabe(ディダクタブル)

保険会社が医療を保障する前に被保険者が負担する金額
例)Deductableが$500の時、$500を超えた医療費から保険会社がカバーするというもの。
※すべての医療にDeductableが適用されるとは限らないので要注意

Coinsurance(コーインシュランス)

保険適用時に被保険者負担する医療費の割合。
前述した「Co-Pay」と同じように「Co」が付いてるのは二者間の支払い割合についての用語になります。

妊婦健診で知っておきたい用語

Urinalysis, examination of urine: 検尿

日本の妊婦健診と同じで毎検診時に検尿検査があります。

Blood pressure: 血圧

プレッシャーという事で、圧力がかかってるし、ブラッド=血液、なので「ブラッド・プレッシャー」=「血圧」というのは分かりやすいかも。

Heart rates: 心拍数

Rates=レート、という事で、為替レートとか言いますが、要は変動する一定数、という事で心拍数になりますね。ちなみに、アメリカ心臓協会によると、成人の1分間の平均安静時心拍数は60回から100回との事で、医療専門家の間では安静時心拍数が低いほど、心機能と循環器系の運動2がより効率的であることを示しているとされています。という事で、これは日本も同レベルですね。

Morning sickness: つわり

「Morning(モーニング」なので「朝」なわけですが、ぶっちゃけ朝だけ辛いわけではなく、昼夜問わず…というのが私の実体験でした。ただ、語源的には朝が辛いから…みたいな説もあるようです。

Natural childbirth: 自然分娩

「ナチュラル」=「自然」な、「Child-Birth」=「子供-生まれる」なので、これは分かりやすいし、覚えやすいですね。

Caesarean section, C-section: 帝王切開

日本でも帝王切開の事を「カイザー」というけれど、なぜ?なんか聞いた感じギリシャな感じもしますが…。もともと「カイザー(Kaiser)」は「分離する」という意味らしく、古代ギリシアのユリウス・カエサルも「ユリウス家の分家」という意味もあるようです…。それが偉大な皇帝となったため、「カエサル=皇帝」となって、ドイツ語から日本語に翻訳する際に間違って「帝王切開」とされたのです。本来は、「切開分娩」と訳せば適切だったのかもしれません。

Ultrasonography: 超音波検査

ちなみに、日本と大きく違うのがエコー(超音波)検査で、アメリカでエコー検査は全妊婦健診を通して2回または3回ぐらいしかないのが普通です。

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